海と商業 33
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近世になり、ときに怪物に誘われ、ときにより現実的な要請
によってヨーロッパ人が実際に未知・未開の地に
赴くようになると、当然のことながら、怪物は消滅する。
そこで彼らが目の当たりにしたものは、
着衣や生活様式こそ彼らと異なっていても、
紛れもない人間であり、あるいは多少奇妙ではあるが、
紛れもない動物だったからだ。こうして既知なる怪物は、
そのアイデンティティを速やかに喪失し、伝承や古書、
さらに生物の分類呼称のうちに消滅を余技なくされ、
最終的には未知なる人間ないし動物へと転移していくのだった。
そして、これら外なる他社だった怪物たちは、
内なる他者としての怪物たちが、ヨーロッパの異界を
安住の地として永らえていくのとは異なり、珍種、珍獣として
ヨーロッパ各地の動物園や博物館の檻や標本棚に展示され、
人々に新たな未知・未開世界への夢と想像力とを
与えるようになったのである。明らかにそれは、
怪物をめぐって展開してきたヨーロッパと非ヨーロッパという
2極構造の終焉であり、怪物の文化誌の一つの帰結ともなった。
(怪物文化誌辞典)
大航海時代になって未開の地がどんどん発見されていくと
未開の地でも、同じような人間や動物しかいないことがわかってしまう
スケールは違うけれど、17世紀ごろの近世って
意外と今と感覚が近いのかもしれない。
昔の常識がどんどん覆って、
社会的にも文化的にも変化していったんだろうなぁ
最近、テレビで幽霊とかUFOとかやらなくなった。
不思議な現象に、理由が付くと面白さはなくなる。
それは今も昔もおなじだと思う。
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商人はイギリスの大修道院との間に、刈り取られた羊毛を
すべて買い取る長期契約を結ぶ事があった。
大抵は7年という期間設定である。
代金は、ある程度をまとめて現金で前払いし、
残りは双方が合意した額で
契約期間の間、1年ごとに払っていた。
契約書は、公証人がまず大まかな
草案を書き、それから羊皮紙を使った
正式の文書を3部作成する。
商人と修道院が1部ずつ。
残りの1部は公証人が記録用として自ら保管し、
その文書は公文書として法的な拘束力を持った。
(中世ヨーロッパの都市の生活 p148)
13世紀の話です。
その頃には、
商人もお金をある程度まとめて持ってたんですね。
先の分もまとめて買えば安くなったでしょうし
農業の人も、安定収入が得られる。
ちょっとした先物取引ですね。
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